任期付き助教は、任期付き羊の夢をみるか?

任期制を導入した人たちは、任期付き羊の夢など見ないだろう。

スポーツ報知が助教と助教授を間違える

福岡大学の教員が逮捕されたようだ。

 
 
女子中学生のスカート内にかばんを差し入れて動画を撮影したとして、県迷惑行為防止防止条例違反の疑いで、福岡大助教のM容疑者(31)=福岡市西区=を現行犯逮捕した。(上記サイトより引用、太字と容疑者の氏名は当ブログで変更)

助教(現行では准教授に相当)とは懐かしい。

31歳で助教とは、さぞかし優秀なのかと思いきや、福岡大学のサイトを調査すると、やっぱり助教の間違えのようだ。
 
 
スポーツ報知さん、肩書きぐらいちゃんと調べましょうよ!
 
 

西川伸一氏がまたしても誤字脱字の目立つ記事を投稿

STAP細胞事件の「あの日」を2013年1月28日月曜日と間違えたままの西川氏。

 
 
知人に校正をしてもらっているらしいが、間違えを放置したまま次の記事を投稿。
やはり誤字脱字がチラホラと見られる。

未来の薬局:4月1日号Science掲載論文を読んで思ったこと(西川伸一) - 個人 - Yahoo!ニュース

以下、上記記事より引用
太字はブログ主が変更
原則として全て受けるようにしている。講義ではできるだけ21世紀の生命科学全般に共通する課題について話をする。
句読点が余計。
 
ネットで送られてきた病気やゲノムのデータを元に各人に合致した薬を作ってくれる未来の薬る
「薬る(やくる)」ってなんか若者向けだね。

大量の薬剤を一挙に時間をかけて作ることが前提になっている中央集権的創薬を根本的に見直さないと、
ここは「製薬」じゃないかな。
 
STAP細胞事件には、コピペも問題の一つだったんだけど、この注意力ではコピペを見抜くのも難しいですよね。
「薬る」とかは放っておいて良いとしても、「2013年1月28日」ってのは早く直したほうが良いですよ。

お勧めシークエンシングデータ用オンラインストレージ 2016年度版

シークエンシングデータは巨大化を続けている。

小規模な研究室ではデータの解析方法に加えて、データの保存方法も問題になることが多い。
自前の保存デバイスを持たずに、オンラインストレージにアウトソーシングするのも一つの手だ。
 
現在は沢山の企業により様々なオンラインストレージサービスが提供されている。
目的に合ったサービスを見つけることが重要だが、幅広い目的に敵うオンラインストレージサービスを2つ紹介したい。
 
1. 無料サービスなら Mega の1択
 
無料サービスならMegaで決まりという状態が、ここ数年続いている。
 
 
このサービスの利点は、何と言っても無料で容量が50Gbと他を圧倒して大きいことだ。セキュリティも備えついており、使い勝手も良い。容量が50Gbだと個人レベルの研究データの保存がやっとであるが、各々が50Gbずつ利用できれば研究室全体ではかなりの容量となるだろう。
 
 
 
2. 容量無制限のサービスで小規模研究室向けはCLASHPLAN
 
小規模研究室やグループでのストレージならCLASHPLANの容量無制限のFamilyプランがお勧め。
 
 
年間$150で容量無制限のストレージ10台までのコンピュータで利用できる。月額にすれば、PCRプライマー1つか2つ分ぐらいの値段だ。当然、セキュリティも備えてあり、対応OSもWindowsMacLinuxと幅広い。無料試用プランもある。
 
容量無制限のサービスが、コンピュータ一台当たり月額1000円以下で利用できる様になった。
誰も読まないのに見栄だけで購読しているような雑誌よりも安い。
どのハードウェアを購入するかで迷うぐらいなら、オンラインストレージにアウトソーシングした方が安上がりだろう。
 

水族館に学ぶシークエンサー見学者の満足のさせ方

水族館プロデューサーの中本元さんという方がいる。

全国の水族館にアドバイスし、お客さんの満足度を上げるお仕事だ。
中本さんの最近のお仕事は、愛知県の竹島水族館だったようで、その様子がニュースサイトで報じられた。
 
 
「つまらない」とお客さんに言われてしまっていた水族館が、お金をかけずに楽しい水族館に生まれ変わった。
その秘訣の一つは親近感のある説明表示だ。
 
 
ブログ主の研究室にも、よくシークエンサー見学者が来る。
しかし、あまりシークエンシングとは関係ない分野の人が多く、やはりつまらなそう。
そこで、水族館プロデューサーのマネをして、シークエンサー見学者の満足度を上げようと思う。
 
 

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こちらがHiSeqさんでーす。
ここが青色の時はご機嫌です。
 

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緑色の時は寝てますので起さない様に。
 
機嫌が悪くなるとオレンジ色になりますが、
その時はラボ中大騒ぎになります。
ので、参考写真はございません。
 
 

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こちらが、HiSeqさんの廃液でーす。
ハワイアンブルーですが、飲むと味はマズイです。
というか飲んだらマズイです。
 
 

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こちらも、HiSeqさんの廃液の初恋ピンクでーす。
こちらも、飲むとマズイですし、飲んだらマズイです。
 
ごれで満足度アップ間違いなし!

iPhone SE の解体分析が行われる

先日の記事でブログ主が考えているiPhone SEの戦略を述べた。

一言でまとめると「ターゲット市場はアジアやアフリカで、開発費などをおさえた低リスク路線」であろう。
 
発売が始まり恒例の「解体分析」の結果が報告された。
 
 
やはり、従来のパーツを利用した低リスク路線だったことが証明された。
余剰なパーツの「リサイクル」とも称されている。
もしも過剰在庫を使って話題を作れたのならば、それだけでも一応は成功であろう。
先進国でiPhone SEはスルーという人が多くても、アップルとしては問題ないだろう。
先進国では次期iPhoneの方が重要だろう。
iPhone SEのターゲットはアジアやアフリカの新興国市場であろう。
これらの国向けに製造されていたiPhone 4 とiPhone 5c は、iPhone SE に統合される様子。
iPhone SE の発売は、新たな製品の追加ではなく、旧モデルの統合であろう。

千葉大学に入ったのに、大学院にも進学せずに中小企業に就職すると大学ジャーナリストに人格まで疑われる謎な件

「時間さかのぼり理論」の提唱で世間を騒がせた千葉大学

 

どうやら、何が何でも誘拐の容疑者を卒業生としたくない千葉大学は、

卒業認定取り消し→保留

とすることを3月31日に決めた。

 

この「卒業認定取り消し」で議論が起きているが、大学ジャーナリストを名乗る石渡嶺司氏の記事が、あまりにジャーナリストらしくない謎な件。

 

bylines.news.yahoo.co.jp

上記サイトの魚拓

 

卒業認定取り消し」に関して、大学の規定に学士*の取り消しが無く、大学側の処分の根拠が曖昧という意見がある(つまりは「卒業取り消し反対」)

*大学の学部を卒業すると得られる学位 

 

 

これに対して、碓井真史氏(大学教授)は以下のように解説する。

 

また千葉大学の「学位授与取り消し規定」は修士博士の規定であって、学士の取り消し規定はないとの指摘もありました(「誘拐事件に関し、千葉大が卒業取り消しを検討することは「推定無罪」の原則に反する」)。

確かにその通りのようですが、今回は千葉大学の学士の学位授与の方針に基づき、学士を与えられるにふさわしくない恐れがあるために、「一旦、卒業認定及び学位授与を取り消し、卒業を留保」です。

もしも後になって無罪ということになれば、保留を解くのでしょう。

(なお、以前は学位とは修士や博士のことで、学士は称号でしたが、現在では全て学位とされます。)

がんばれ千葉大2:尾木ママ先生のご批判もありますが:事件で傷つくすべての人のために(碓井真史) - 個人 - Yahoo!ニュースより引用

 

これを誤読してしまった大学ジャーナリスト石渡嶺司氏。

 

以前に

千葉大学の学位規程には第21条に『学位授与の取り消し』という項目がありますが対象は修士や博士であり、大学卒業の『学士』は含まれていません

 

とコメントした藤代裕之氏に対して、

石渡嶺司氏は、

 

藤代氏は学位規定に「学士」がない、としていますが、これは誤解ですね。

Yahoo!オーサーの碓井真史氏(新潟青陵大教授)が

がんばれ千葉大2:尾木ママ先生のご批判もありますが:事件で傷つくすべての人のために

の中で、解説してくれていました。

「なお、以前は学位とは修士や博士のことで、学士は称号でしたが、現在では全て学位とされます」

千葉大の学位規定にも、第2条にこうあります。

「第2条 本学において授与する学位は,学士,修士,博士及び専門職学位とする」この点、藤代氏は誤解されているのではないでしょうか

上記の石渡嶺司氏記事より引用

 

 

と反論。これは誤解ですね。

なぜ、誤解かというと問題の千葉大学の学位規程第21条を見てみると、

 

第21条 修士若しくは博士の学位又は専門職学位を授与された者が,その名誉を汚辱する行為があったとき,又は不正の方法により修士若しくは博士の学位又は専門職学位の授与を受けた事実が判明したときは,学長は,教授会の意見を聴いて,学位の授与を取り消し,学位記を還付させることがある。

 

となっている。

つまり、第21条に書かれている学位取り消しの範囲には学士は含まれていなく、藤代裕之氏が正しい。

碓井真史氏の文章は若干紛らわしい部分もあるが、問題となっている第21条を確認すれば彼の言うことを誤解せずに、ちゃんと理解できる。

大学ジャーナリストを名乗りながら事実確認もしていなかったのだろうか?

 

そして、石渡嶺司氏の大学ジャーナリストらしからぬ発言は続く。

「なぜ学部卒で就職?」「なぜA社?」と題された部分では、千葉大学などの難関大学を卒業した学生の過半数は大学院に進学すると説明し、進学をしない場合には以下のような理由が考えられると、石渡嶺司氏は説明する。

 

1.所属学科での専門が修士に進学しても、それほど期待できない(それくらい、専門分野が狭すぎる)
2.所属学科での研究に見切りをつけた
3.奨学金返済を考えて早く就職したい

上記の石渡嶺司氏記事より引用

 

 

そして上記の3つに当てはまらず、就職先が中小企業などの場合は以下のような問題が学生側にあったと推測する。

 

1.コミュニケーション能力がかなり低く、就活に失敗した
2.勉強をきちんとアピールできなかったので、就活に失敗した
3.家業を継ぐための準備として関連企業に就職することにした
4.防犯グッズなどを悪用するために関連企業に就職することにした
5.就活自体が面倒で、何らかの縁があるところに即決した

上記の石渡嶺司氏記事より引用

 

 

どうやら、千葉大学に入ったのに大学院にも進学せずに中小企業に就職すると人格まで疑われる、ようだ。

一連の報道で風評被害を心配する石渡嶺司氏。

しかし、この石渡嶺司氏の記事のほうが千葉大学卒で中小企業に勤める人たちに対する風評被害になりかねないのではないだろうか?


この記事には続報があります↓

千葉大学の学部卒で中小企業勤務だと人格を疑われるけど、入学希望者数は変わらないから大丈夫と励まされる謎な件 - 任期付き助教は、任期付き羊の夢をみるか?

iPhone SE はアップルの終わりの始まりか?

アップルの本社のあるアメリカでは、史上最安でリリースされたiPhone SE。

しかし、今までのiPhoneシリーズに比べ販売開始直後の勢いは無い。
 
 
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(↑)アップル製品発売のニュースは無視するが、アップル製品の売れ行きがイマイチというニュースは載せるMSN系のサイト
 
一方、中国の新興企業シャオミはアップルのものに似た製品を低価格で販売し急成長してきた。
シャオミ自身は同社の製品をあくまでオリジナルと主張するが、アップルの製品を意識しているのは明らかだ。
 
 
 
新興国ではこのシャオミのスマートフォンシェアが急拡大している。
今回のiPhone SEは、シャオミのような低価格製品に対抗するためとの見方もある。
つまり、アップルのブランド力は低下し、低価格競争に入ったという見方だ。
高品質高価格路線で高利益を上げて来たアップルだが、低価格のiPhone SEの販売に同社の今後を心配する声が一般の人からも聞こえてくる。
 
 
しかし、ブログ主はこれは杞憂に終わる可能性が高いと考えている。
その理由を以下に記す。
 
ネット上などで見られる「心配」には2つある。
一つはアップルのスマートフォン分野の将来に対する「心配」で、
もう一つはアップルの会社全体の将来に対する「心配」である。
この2つは、別々に考える必要がある。
 
まずは、アップルのスマートフォン分野の将来に関して。
競合する会社が増えて、シェアで見れば苦しい闘いが続くのは確かだろう。
しかし、アジアやアフリカでは販売台数が急増している。
これらの地域向けにiPhone 4s や 5c が作られていた。
一世代どころか二世代以上の前のモデルだ。
今回のiPhone SEの販売は最新モデルをアジアやアフリカにも投入し、アップルの本気度を示し、同地域での新規顧客を取り込むための戦略だろう。
低めの価格設定だが高性能の製品であるiPhone SE には、そのような意図が読み取れる。
であるからして、先進国では魅力が感じられないのは仕方ない。
先進国での次期本命は今まで通りiPhone 7だろう。
 
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アジアやアフリカで iPhone SE が成功するかは、未だ分からない。
しかし、アップルは失敗した時のためのリスクマネジメントは行っているようだ。
iPhone SE には他のiPhone製品と共通のパーツが用いられている。
iPhone SEには開発コストをあまりかけていないし、売れなくても残ったパーツは他の製品に回せるということだ。
 
ここまでをまとめると、
 
先進国でiPhone SE の売れ行きが良くなくても、必ずしも失敗では無い。本命はアジアやアフリカのマーケット
 
たとえ、iPhone SE が失敗してもリスクは低いだろう(むしろ最後の成長マーケットであるアジアやアフリカを見過ごしてしまう方が「高リスク」だろう)。
 
 
そして、もう一つの心配ごとであるアップル全体の将来についてだ。
たしかに、アップルの中でスマートフォン分野が占める割合は大きく、同分野での業績が同社全体の業績を左右している。
しかし、スマートフォンのみがアップルの得意分野では無い。
なので、スマートフォン分野が行き詰まってしまうのであれば、同分野を切り捨ててしまえば良いだけだ。
かつてIBMがパソコン製造部門をあっさりと売却してしまったように。
 
ここ20年ほどアップルは魅力的な新製品を連続的に市場に投入し、高利益を上げてきた。
iPhone 以前では、iMaciPodがその例である。
発売直後に爆発的人気を誇ったこれらの製品も、時間とともにテクノロジーの進歩や他社のキャッチアップなどで人気に陰りが出てきて、販売が縮小していった。
おそらくiPhoneも同じ道を辿るであろう。
しかし、アップルにとっては何度も経験したことである。
 
 
では、iPhoneに変わる次の収益の柱となる製品は何であろうか?
期待されたiPadApple Watchは空振り気味であり、その点からもアップルの将来を心配する声がある。
ブログ主は、しばらくはコンピュータ関連製品が収益の柱となるであろうが、将来的にはオンラインサービスがアップルの主な収益になると考えている。
 
 
なので、iPhone SE が成功するか失敗に終わるかはアップルが将来を左右する問題ではない。
オンラインサービスなどの次の戦略を打ち出せるかが問題である。