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衝撃のクマムシゲノム解析結果 -大量HGT遺伝子大発見編

過酷な環境にも耐え、「最強生物」とも称されるクマムシ

そのクマムシゲノムの解読され、衝撃の解析結果が昨年の終わり頃に発表された。

 
論文(PNAS)
Evidence for extensive horizontal gene transfer from the draft genome of a tardigrade
 
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衝撃だったのは、クマムシゲノムにコードされている遺伝子の内、
約1/6が水平伝播(HGT)で得られたものだと言うのだ。
遺伝子は通常親から子へ受け継がれる(垂直伝播)。
しかし、HGTは異なる生物種間での遺伝子のやり取りのことを言う。
 
原核生物ではHGTはよく起きるとされているが、真核生物では稀であるとされる。
真核生物のHGTの全貌はまだ明らかではない。
しかし、多くの生物種でゲノムにコードされている全ての遺伝子のうち、HGTで得られた遺伝子はおそらく1%未満ではないだろうか。
 
それに比べて、少なくとも10倍以上の数のHGT遺伝子がクマムシでは見つかったのだ。
その大量HGT遺伝子の獲得メカニズムを上記サイトでは日本語で解説してある。
研究チームによると、クマムシのDNAは、極度の乾燥状態などの極めて強いストレスにさらされると細かく断片化される。細胞に水分を戻すと、DNAを格納している細胞核と細胞膜は一時的に物質を通しやすい状態になり、水分子以外の大型分子も容易に通過できるようになる。細胞が水分を取り戻すにつれて、クマムシ自身の断片化したDNAが修復されると同時に外来DNAが取り込まれ、異種生命体から伝播される遺伝子の「パッチワーク」が形成される。(クマムシに大量の外来DNA、驚異の耐久性獲得の一助に?)
クマムシの中のHGT遺伝子の多くは、細菌由来と考えられる。
そして研究グループはクマムシの特性と多数のHGT遺伝子の関係を次の様に考える。
「極度のストレスに耐えて生存できる動物は、外来遺伝子を獲得する傾向が特に高い可能性がある。そして細菌遺伝子は、動物遺伝子よりもストレス耐久能力が高いのかもしれない」 (クマムシに大量の外来DNA、驚異の耐久性獲得の一助に?)
 
なるほど。
もともとクマムシは他の種の遺伝子を取り込みやすく、取り込んだ遺伝子はクマムシの環境ストレス耐性に一役買っていたのだ。
説明に筋が通っているかの様に見える。
しかし、この大発見も数ヶ月後に覆されることとなる。
 
続く
(続編は数日中に投稿予定)