任期付き助教は、任期付き羊の夢をみるか?

任期制を導入した人たちは、任期付き羊の夢など見ないだろう。

40歳は高齢なのか? 「高齢ポスドク」問題を考える。その1

メジャーリーグでは40歳以上の選手が今季は7人いるらしい。

その内の2人が日本人プレイヤーだ。
 
 
日本人の場合、多くが日本プロ野球を経てメジャーリーグに移籍しているから、
全体的に日本人プレイヤーが「高齢」になる傾向がある
しかし、40歳超えても活躍している日本人プレイヤーがいるというニュースは励みになる。
 
スポーツの世界で40歳超で現役というのは良いニュースになるが、
我々の分野で40歳超で現役のポスドクとなると大概は良くない話題となる。
いわゆる「高齢ポスドク問題だ。
 
 
何歳から高齢ポスドクになるかは、ハッキリした定義はないようだ。
ある時には35歳以上が高齢ポスドクで、また別の時には40歳以上になるのようだ。
高齢どうかは相対的な問題でもあるから、これから40歳以上のポスドクが増えれば、
40歳でも高齢ではなくなるかもしれない。
しかし、現状では40歳以上のポスドクは、高齢と呼ばれると見て間違いないようだ。
 
そして、高齢ポスドク問題はほとんどの場合、「将来設計」の問題と捉えられる。
助教となる適齢期を逃してしまって、ポスドクのポストも年齢を理由に少なくなる。
この「高齢ポスドク問題=将来設計問題」という傾向は、
若い博士卒や博士課程の研究者*が話題となる時と比較すると明らかになる。
若い研究者が問題として話題になるのは、研究テーマ設計能力の乏しさだったり、
博士課程進学者の急な減少だったりだ。
*若いと言ってもほとんどがアラサーなわけだが
 
高齢ポスドク問題の話題では、大概は2つオチの内のどちらかで話がまとまる。
一つ目は、「国のポスドク一万人計画が原因だから、国が解決する問題」という社会問題オチ
もう一つは、「10年もポスドクを抜け出せないんだから本人に原因がある」という自己責任オチ
どちらも間違いではないだろう。
しかし、1つめの「国」というのは日本政府ひとつしかなく、その点誤解のしようがないが、
2つめの「ポスドク」はたくさんの人が含まれ、全員が全員そうだとは言い切れないだろう。
「高齢ポスドクの中には、本人が原因でポスドクを続けるしかない人もいる」というのが適切だろう。
 
しかし、この記事では上記の2つ以外の見方を提示してみたい。
タイトルにある通り、そもそも「40歳は本当に高齢なのか?」というアプローチだ。
 
続く
(続編は数日中に投稿予定)