バイオ実験の失敗学 01
「あぁー!また失敗だー」
公開されているゲノムシークエンスにはシークエンスアダプターやPhiXの配列が混入している場合がある。
公然の秘密のようなものだが、それをネタに論文を書いたツワモノもいる。
人間ならばちょくちょく間違いを犯してしまうものだ。
最近ブログ主がやってしまった間違いを2つ。
1. TaqManプローブ解析に非Taqのポリメラーゼを使ってしまった
最近使うポリメラーゼを変えたばかりだった。たまたま変えたポリメラーゼが、5'→3'エキソヌクレアーゼ活性がないものであった。その酵素でTaqManプローブ解析をやってものの、なんどやってもシグナルが得られない。
「あれ?プローブでも入れ忘れたかなぁ」
と、無駄な実験を繰り返してしまった。Taqポリメラーゼに変えたら、無事にシグナルが得られた。
以前に、SybrGreenでWGA(whole genome amplification)をモニター出来た。なので通常のPCR増幅もモニター出来るかと試して見たが、シグナルも得られないし、増幅もしない。どうやら
SybrGreenが長い断片(特に1Kb以上)の増幅を妨げるようだ。SybrGreenを入れずに同じ条件で実験をしたら、増幅が見られた。
まとめ: TaqManプローブ解析の時には、5'→3'エキソヌクレアーゼ活性のある酵素か確認を。
SybrGreenを入れてもいいのは、ターゲットが500bpぐらいまで。