任期付き助教は、任期付き羊の夢をみるか?

任期制を導入した人たちは、任期付き羊の夢など見ないだろう。

シークエンサーのコンピュータが実はスゴい

ショーンK事件とアップル新製品発表の記事が続いてしまって、久々となるシークエンスの話題。

 
高性能なコンピュータが無ければNGSのデータ解析は出来ないと思われがちだが、市販のコンピュータでも目的によってはかなり対応できる。
例えばMiSeqでの数百メガベースゲノムのリシークエンスであれば、core i5程度のノートパソコンでもマッピングは可能だ。
 
実はHiSeqやMiSeqなどのシークエンサーがあれば、わざわざ解析用のコンピュータを買う必要は無い。
シークエンサー付属のコンピュータの性能が良いからだ。
イルミナのシークエンサーに付属しているコンピュータの性能(CPU/メモリ)は、
HiSeqが、Xeon E5-2697 v2 2.7GHz/128Gbで、
NextSeqが、Xeon E5-2448L 0 1.8GHz/96Gbで、
MiSeqが、Core i7 2710 QE 2.1GHz/16Gb だ。
 
HiSeqのCPUは発売から数年経っているようだが、現在でもトップクラスの処理能力を誇る。
MiSeqのものでさえ、MacBook proCore i7より高性能だ。
 
MSS社のサイトでは、2.5GHzの4コアXeon*を用いて、10Mリードの2x75bp(1.5Gbp相当)のヒトゲノムへのマッピングが200分で終了したと紹介されている。
*詳細は不明だが、NextSeqのCPUよりも劣るものだと思われる
このMSS社のデータを元にすれば、NextSeqから出た2x75bpの400Mリードも、NextSeqのコンピュータを使えば6日以内でマッピングが完了する。
(ただし、シークエンス自体は18時間しかかからない)
もちろん、ラージゲノムへのマッピングは時間のかかる作業で、より簡単な解析であればより短時間で完了できる。
また、上述のようにMiSeqのデータならば、ノートパソコンでも解析可能であり、MiSeq自体のコンピュータでデータ処理も可能だろう。
 
つまりは、それぞれのシークエンサーに付属しているコンピュータは、そのシークエンサーから出されるデータを解析できるぐらいの性能をおどらく持っているのだ。
(もちろんde novoアッセンブリのような解析は無理だろうけど)
Windowsベースになってしまうが、解析用コンピュータが混み合っている時にはシークエンサー自体を予備コンピュータとしても使うという選択肢もある。