任期付き助教は、任期付き羊の夢をみるか?

任期制を導入した人たちは、任期付き羊の夢など見ないだろう。

学生向け

アメリカのポスドク状況が日本とだいたい同じの様子

アメリカのポスドク状況を報じたニュースを邦訳した記事がYahoo!Japanに掲載された。 天才科学者をも苦しめる「ポスドク問題」のリアル 博士号をとっても40までは下働き (現代ビジネス) - Yahoo!ニュース 代表的な数字を取り上げると、 1. 博士号取得者の…

東大病院の研究不正疑惑 続報4 告発内容の検証

ordinary_researchers氏が用いたベクトルデータ法を実際に使ってみようと思ったものの、PDFからのデータ抽出にはイラストレータなどのソフトウエアが必要となるようだ。 (ただのアクロバットリーダーやパワーポイントだけではダメ) この作業を行ってくれる…

「安定した高い地位にいる人は不正なんかしない」という誤解 東大病院の捏造論文疑惑に関して

東大病院の研究不正疑惑に関連した記事にたくさんのアクセスを頂いている。 多くの方々が研究不正問題に興味を抱いている事に感謝したい。 今回の騒動で研究不正問題というものをはじめて自分から調べようとした方(特に若い研究者、学生)も多いのではない…

東大病院の研究不正疑惑 続報3 ordinary_researchersのデータ捏造告発文の分析

告発文を読んで、分かったことや推定できること。 過去の関連記事(↓) 東大医学部付属病院の研究不正疑惑が再燃 - 任期付き助教は、任期付き羊の夢をみるか? 東大医学部付属病院の研究不正疑惑が再燃 (続報1) - 任期付き助教は、任期付き羊の夢をみるか…

東大医学部付属病院の研究不正疑惑が再燃 2015年と2016年の比較

東大医学部付属病院の研究不正疑惑で、 2015年の疑惑事件とこれまでに分かっている今回(2016年)の事件の比較 2015年 告発者:匿名A氏(個人?) 告発対象:論文84報 対象機関:東大(医学部付属病院)、大阪大、京都大など多数 疑惑内容:画像の切り貼り、…

東大医学部付属病院の研究不正疑惑が再燃 (続報2)

先ほどから投稿している、東大医学部付属病院の研究不正疑惑に関して。 東大医学部付属病院の研究不正疑惑が再燃 - 任期付き助教は、任期付き羊の夢をみるか? 東大医学部付属病院の研究不正疑惑が再燃 (続報1) - 任期付き助教は、任期付き羊の夢をみるか…

東大医学部付属病院の研究不正疑惑が再燃 (続報1)

先ほど、東大医学部付属病院の研究不正疑惑の記事をアップロードした。 その記事で書いたとおり、去年(2015年)の1月頃にも東大医学部の付属病院での研究不正疑惑が話題となった。 この2015年の研究不正疑惑事件の告発人は「匿名A」氏であり、疑惑の内容は…

東大医学部付属病院の研究不正疑惑が再燃

東大医学部付属病院の研究不正疑惑が再燃しているようだ。 zasshi.news.yahoo.co.jp 告発内容(PDF、上昌弘氏のtwitter記事より引用) その1、その2、その3 東大の付属病院での研究不正疑惑は、匿名A氏が2015年1月ごろにネット上で大量の研究不正疑惑を告…

節子、それは「進化」やない・・・

「進化」という日本語が出来たのは、明治時代のようだ。 「神経」や「自然」などの単語とともに、欧米語の翻訳語として作られた。 現在では、「コンピュータの進化」などと本来の意味を超えて 使われることのほうが多いかもしれないが、もともとは生物学の概…

西川伸一氏の日本語力の低下が深刻なレベルに

本ブログでも何度も紹介している西川伸一氏。 Yahoo! ニュースに投稿している西川氏だが、 タイプミスや事実誤認が多く「記事」と呼べないものも多い。 特に最近の記事は酷く、西川氏の精神が深刻な状況なのではないかと心配になる。 2016年4月16日の記事の…

衝撃のクマムシゲノム解析結果 -疑念編

前回の記事では、クマムシゲノムの解読され大量の水平伝播(HGT)で得られた遺伝子が発見されたことを紹介した。 letsseq.hatenablog.com なぜ、この大量のHGTで得られた遺伝子の発見が話題となったか、少し解説をしよう。 異種間(例えば人間とカエルなど)で…

衝撃のクマムシゲノム解析結果 -大量HGT遺伝子大発見編

過酷な環境にも耐え、「最強生物」とも称されるクマムシ。 そのクマムシゲノムの解読され、衝撃の解析結果が昨年の終わり頃に発表された。 論文(PNAS) Evidence for extensive horizontal gene transfer from the draft genome of a tardigrade PNAS | Mobil…

40歳は高齢なのか? 「高齢ポスドク」問題を考える。その1

メジャーリーグでは40歳以上の選手が今季は7人いるらしい。 その内の2人が日本人プレイヤーだ。 http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160415-00825490-number-base 日本人の場合、多くが日本プロ野球を経てメジャーリーグに移籍しているから、 全体…

Methods in Next Generation Sequencing 誌が休刊

オンラインジャーナルのブームにのり登場したMethods in Next Generation Sequencing 誌が、論文原稿の受付を取り止めた。2012年に始まり、これまで2巻までしか出ていなかった…。雑誌名が良かっただけに残念…。世界的なジャーナル乱立時期に生き残るには、容…

これまで、何人のゲノム(ヒトゲノム)がシークエンスされたか?

2003年に(一応は)完了したヒトゲノム計画。 10年以上かかったものの、この計画では最初のヒトゲノムの解読に成功した。 その後の次世代シークエンサーの登場によりシークエンス解析の速度の急加速し、 現在ではヒトゲノムの解読は数日以内で可能だ。 ヒト…

千葉大学の学部卒で中小企業勤務だと人格を疑われるけど、入学希望者数は変わらないから大丈夫と励まされる謎な件

大学ジャーナリストを名乗る石渡嶺司氏。 先日、彼の記事の問題点を述べた。 千葉大学に入ったのに、大学院にも進学せずに中小企業に就職すると大学ジャーナリストに人格まで疑われる謎な件 - 任期付き助教は、任期付き羊の夢をみるか? 容疑者の内定先を突…

西川伸一氏がまたしても誤字脱字の目立つ記事を投稿

STAP細胞事件の「あの日」を2013年1月28日月曜日と間違えたままの西川氏。 捏造の構造分析15:ピルトダウン原人とナショナリズム(西川伸一) - 個人 - Yahoo!ニュース 知人に校正をしてもらっているらしいが、間違えを放置したまま次の記事を投稿。 やはり…

お勧めシークエンシングデータ用オンラインストレージ 2016年度版

シークエンシングデータは巨大化を続けている。 小規模な研究室ではデータの解析方法に加えて、データの保存方法も問題になることが多い。 自前の保存デバイスを持たずに、オンラインストレージにアウトソーシングするのも一つの手だ。 現在は沢山の企業によ…

水族館に学ぶシークエンサー見学者の満足のさせ方

水族館プロデューサーの中本元さんという方がいる。 全国の水族館にアドバイスし、お客さんの満足度を上げるお仕事だ。 中本さんの最近のお仕事は、愛知県の竹島水族館だったようで、その様子がニュースサイトで報じられた。 年間入場者12万が5年で33万人に …

学振のコネ合格について…

先日、卓越研究員制度の記事で日本学術振興会の「コネ」について触れた。 ブログ主は「コネ合格」の現場*を何度も見てきたが、逆に「非コネ合格」の現場は見たことがない。 * 極端な場合には研究室ごとの予定数が数年先まで決まっていた。というか、決まって…

小保方氏のホームページは相手にしないのが正解だが…

突如、ネット上に現れたSTAP細胞作製手順紹介サイト「STAP HOPE PAGE」。出現したのが4月1日直前であったため、ネタかとも思われたが、2日以降も「ネタバレ」はなくどうやら本気のサイトらしい。開始直後にはアクセスが殺到し、一時的に閲覧できないほどであ…

尿からクローンマウスの作製に成功するも、一般の人には不気味がられる。

山梨大学の若山教授らが尿から採取した細胞を使ってクローンマウスの作製に成功した。Generation of cloned mice and nuclear transfer embryonic stem cell lines from urine-derived cells : Scientific Reports同グループは、個体数が減少してしまった野…

STAP細胞はありまぁ〜す。STAP現象が再現される!

小保方氏がSTAP細胞の作り方を発表した。小保方氏がHP開設=STAP細胞「作り方」掲載また、理研でSTAP現象が再現されたことも明らかになった。STAP現象、理研で再現されていたことが発覚…若山教授、不当に実験成果物を大量持ち出し | ビジネスジャーナ…

2016年度の卓越研究員制度では80人も救われない・・・-卓越研究員制度の疑問点-

ポスドク(+任期付き助教など)のうち150人程が卓越研究員制度で救われる見込みという記事を投稿したが、どうやら2016年度の卓越研究員制度で救われるのは80人以下になる様子。 letsseq.hatenablog.com 各企業や研究機関より応募のあったポストのリストが公開…

西川伸一氏もタイムマシンの開発を進めているのではないか?

昨日の記事で、千葉大学が都合の悪い過去を消そうと躍起になっていると書いた。 他にもネット上で都合の悪い過去を消そうと躍起になっている人物がいたので、今日はその人物について。 元理研CDB顧問の 西川伸一氏のことである。 榎木氏同様に西川氏もY!ニュ…

千葉大学がタイムマシンの開発を始めそう

3月27日に女子生徒が保護され事件が解決に向かいそうな、埼玉県朝霞市の中学生行方不明事件。 女子生徒を誘拐し約2年もの間監禁していたと思われる容疑者の男は千葉大学の元学生であり3月23日に卒業したばかりだった。 www.bengo4.com その千葉大学が…

卓越研究員制度のカラクリと問題点

先日、2016年度から始まる卓越研究員制度の記事を投稿した。 時間がなく短めの記事となってしまったので、改めて卓越研究員制度を取り上げる。 卓越研究員制度は、一言で言えば若手の博士号取得者と企業のマッチングサービスだ。 国が若手の博士号取得者を審…

ポスドク(+任期付き助教など)のうち150人程が卓越研究員制度で救われる見込み

「卓越研究員制度」では優れた研究者(博士で40歳未満)150人程に、民間企業も含めた終身雇用のポストを準備する予定だ。 今回、雇用者側に対する募集の結果、300人分程のポストが確保できる見込みらしい。 (情報元: http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=201603…

榎木英介氏にも「文系力」が必要だ

榎木英介氏はポスドク問題などに取り組み、積極的に情報発信を行い評判もよい。 最近ではYahoo!のY!ニュースにも記事を投稿し、生命科学の学術分野の問題を一般の人にも分かりやすいように説明している。 医師としての仕事をしながらであるので、セミプロの…

バイオ実験の失敗学 01

「あぁー!また失敗だー」 (http://www.opiniomics.org/we-need-to-stop-making-this-simple-fcking-mistake/) 公開されているゲノムシークエンスにはシークエンスアダプターやPhiXの配列が混入している場合がある。 公然の秘密のようなものだが、それをネタ…